#001 Alexander McQueen

マックイーンのファッションと音楽の関係を辿るうえで、ファッションショーの音楽を外すことはできない。ファッションの歴史に深く刻まれ、現在でも人々の記憶に鮮明に蘇るシーンにこそ、そこにファッションと音楽の融合が見事なまでに表現されているように思う。

1999年春夏コレクション「No.13」での、2基の工業用ロボットに挟まれたターンテーブルの上で回転するシャローム・ハーロウの白色のコットンドレスが威圧的なロボットアームによって黒と黄色にスプレーペイントされる演出では、美しいピアノの旋律の中で(モーツァルト『ピアノ協奏曲 第23番 第2楽章』)儚げに舞うハーロウの不安に満ちた表情や元バレリーナらしい肩から腕にかけての細やかな動きの表現が、例えようのないもの悲しさを醸し出している。これは、ファッション界に蔓延る人間性を失ったかのような商業主義に対するマックイーンの警告、憂いであったようだ。

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